Hollow Knightの感想

 ホロウナイトの感想です。

 NintendoSwitchでのプレイです。

 

 任天堂HP

 Nintendo Switch|ダウンロード購入|Hollow Knight (ホロウナイト)

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 Steam:Hollow Knight

 

 レビューって基本的に後出しジャンケンなイメージがあって、これこうすれば面白くなるんじゃねというのは後からならいくらでも言えるものだと思います。製作者はそれを知っている上で、知っているからこそ今の形に行き着いたかもしれない。

 とんでもない時間と労力をかけて、ゲームとして世の中に出しただけでも十分凄いことだと思っていて、だからこれは製作者の方に対してものすごい失礼なことかもしれないけど、勝手ながら書きます。まず制作に関わったスタッフさん方には尊敬と感謝の意を表します。

 

  初見でのクリア時間まで約29時間で、プレイ開始日は2018年12月31日。

 購入のきっかけはNintendoDirectで見かけた時に興味を持ったのと、twitterのフォローしている方が面白いと何度も呟いていたため。 

 追加コンテンツのいくつかは未プレイ。

 

 

 

 このホロウナイトは闇の中の光るものを見つけるような、そんなゲームの印象だった。

 広い地下世界を探索しい物語は進む。そして地下にあるのは過去に栄えた都の廃墟。何も語らない、説明のなく郊外から現れた主人公がそこに赴き、徐々に語られていく物語と、複雑に入り組んだ地下世界を紐解いていく2つの構造はどこか似ている様に思った。

 

 まず、基本操作が気持ちいい。歩く、ジャンプする、攻撃する…こういったゲームの基礎になる動きが違和感なく遊べるというのはとても重要だと思っていて、違和感がないだけでなく心地よいというのは凄い。

 特に敵を倒した時に手に入るジオ。これを手に入れた時にチャリンチャリンという音が鳴りコントローラーが震えるのだが、これもまた心地よく「あぁ、これはきっと良ゲーなんだろうな」と感じた。敵を攻撃した時も手ごたえがあり、切る音だとか釘を振るう音、スキル攻撃など敵と戦うことが楽しくなる。

 個人的に、背景や風景など2Dで製作されているように思うのだが、奥行きが感じられれるように製作されていて、どうやっているのかが気になってしまう。

 

 全体的に静かな雰囲気で、色調も合わせて洒落た作品に思う。王国の跡地に降る雨や生い茂る緑も、登場するキャラ達のセリフ回しもとても纏まっているように思う。

 各演出も面白く、最初に岩の巨大な扉を破壊するシーンはこの先何があるのだろうと想像が掻き立てられるものがあった。

 後半のステージの地下の奥深くの気味の悪い雰囲気はとても感心した覚えがある。包帯だらけの虫の声は久々にぞくぞくする感じで、初見で遠くから聞こえた時は驚いた。

 驚いたというと、檻のようなものに閉じ込められた虫が何体もいて、それを助けると後にジオ(お金)などが貰えるのだが、それの偽物がいたことだった。他の虫に擬態する虫は実際にいるので、うまく取り入れていて世界の広がりを感じた。

 また、闘技場というファンタジーには定番の施設もあり、愚者の闘技場という名前で登場する。そこで勝ち抜くと懸賞を貰えるのだが、途中でやられてしまうと観客が大声で笑う。それはまさに愚者という言葉がぴったりで何故が納得してしまう。

 

 このゲームは割とやられることが前提の難しさであるように個人的には思っていて、敵が強い。

 道中、ボスキャラクターが何体かいるのだが、基本的に自分にはすんなりとは通れない難易度であることがほとんどで、一度他の場所で装備を整えるということがなんどかあった。

 ただ、このボスが何体かどうにも理不尽に思えてくるようなものが何体かいて、そこは少し嫌に思えた。

 何体かのボスは戦っている最中に雑魚敵を召喚してくるのだが、それが際限なく現れるのでボスだけに集中するということが難しい。敵の出現ポイントもプレイヤーがジャンプしたあたりの高さで、ボスの攻撃を避けたと思ったら出現した雑魚に当たってやられてしまうという場面が結構あった。攻撃チャンスでもザコ敵がこちらに向かってくるから追撃も回復もうまくいかないことがある。

 雑魚敵もボスも、同じ予備動作から3つ程度の攻撃に派生するため、見極めは難しく反射神経は必須になる。

 また、何体かのボスは記憶の中?にいるためその記憶の中に入る必要があり、記憶を呼び醒す演出がある。そこでは浮島を渡っていかないとボスの元に行けないのだが、足を滑らせると夢の外に出されるため、記憶の中に入る演出を何度も見ることになる。これはボスにやられた時も同様で、繰り返し戦うことが前提であるのであれば、演出を短縮させる何かしらの措置や、ボスに辿り着くまでは障害がないような構成にはして欲しいと思った。

 上記のようにすんなりはいかないボスが沢山いるのだが、チャーム(スキル)を取っ替え引っ換えして作戦を練るのが楽しく、「あの攻撃をしてきた後にはある程度の猶予があるから回復スピードの早くなるチャームをつけよう」「遠距離攻撃を主な攻撃にすれば倒しやすそうだから特殊攻撃の威力を上げるチャームをつけよう」といったようなパズルを組み立てていく様な快感がある。物語を進めていくとチャームを装備できる枠を拡張することもできるので、その楽しみは広がる。

 ただ、やられた後に装備を整え、チャームを増やしたり新しい能力を取得してからだと割とすんなり倒せるということもあるので、きっとそういう設計なのだろう。

 

 ちなみに、雑魚敵であることには違いないが強い敵は割といる。追跡型の爆弾を放つ植物、3方向への球を打つ飛ぶ虫、攻撃する瞬間以外は近づくとワープする敵など…。

 また、ヒットアンドアウェイをする敵が多く、地上のキャラは探り合いのような駆け引きがあって楽しい。しかし、空中にいる敵は飛びながら一定距離を保って攻撃する時だけこちらにくるため、こちらの攻撃を当ててもそのまま敵は攻撃してくるので被弾してしまうことが割とあった。

 

 道中も難しい場面は多く、後半だとあらゆるところに棘がある。下に向かう穴の先が画面外で見えずとりあえず落ちてみたら棘でやりなおしなんてことはよくある。棘でなくとも酸の溜まりに落ちてもやりなおしとなる。天井にも壁にも棘で、何度もやりなおしを要求される場面はある。

 

 ゲーム外の感想にはなってしまうが、SwitchのJoyコントローラー(以下Joyコン)が敵のように感じるときがある。Joyコンには3Dスティックがあり、8角形の溝が入っていない。基本的にゲームは十字方向とその間の斜めの計8方向に指示をするので、その方向に入力しやすくするためにストッパーとして溝があると入力がしやすくなる。が、Joyコンには溝が無く綺麗な円形になっているので、斜め方向に強く入力するとその勢いで上だとか左だとか別の入力に変わってしまいミスにつながることになる。割と遊んでいてこれでミスをすることが多かった。空中+下攻撃で敵をジャンプ台にするシーンでは注意が必要に思う。

 

 

  このゲームはプレイ人数が1人だということもあるが、小説を読むような感じで、1人でじっくり遊ぶのが向いているように思った。キャラクターには詩人のような虫が多く、可愛らしくも不気味なキャラ達が登場し、よく練られている雰囲気を持っている作品だと思う。約1500円と内容としてはとてもお得な値段になっていると思うので買って損はしないと思う。ただ何度か書いた通り、敵も強くやり直しを要求される場面が多いのでそういったことが苦手な方には難しいかもしれない。